肩こり・頭痛を治そう(4)「治す」とは?(2) – 顎関節症の治療
肩こり・頭痛を治そう(3)「治す」とは?(1)- マッケンジー法の続きです。
顎は整形外科ではない
マッケンジー法のおかげで、腰痛や腹痛、足のひきずりは治ったのですが、事故の以前から悩まされていた首コリについてはなかなか効果が出ませんでした。
というのも、首の周辺に関しては、後ろの首の付け根あたりまでは整形外科で診療可能なのですが、前側の顎の辺りになってくると、整形外科の診療対象ではないからなのです。「顎」は歯科で診てもらわなくてはいけません。
顎関節症の治療
20年前に「口が十分開くので顎関節症じゃないですね」「耳の音?耳鼻科ですね」と言われたり、マウスピースを入れても効果がなかったり、とあまりいい思い出はありませんでしたが、さすがにこれだけ年月が経てばもうちょっと前向きな治療を受けられるのではないかと思い、このサイトを参考に顎関節症専門の歯科医の診療を受けることにしました。
治し方はマッケンジー法と同じだった!
先生の指導は、
「口を大きく開ける運動を一日5,6回やる」
「常に噛んでいる、という習慣をやめる」の二つでした。
なんと、驚いたことに、マッケンジー法の
「効果のある運動を2,3時間おきにやる」
「正しい姿勢を保つ」
と同じではないですか!
先生は、そのアドバイスの意味をかなりの時間をかけて説明してくださり、結局は自己管理なんです、医者はその方法を伝えるだけなんですね、と強調されていましたが、うんうん、先生、だいじょぶ、ワタシもう実践済みだし、十分理解してまーす、と心の中でつぶやいておりましたw 帰宅後早速実践。効果は1週間もしないうちに現れ、首の違和感がとれて体も軽くなりました。一ヶ月後には頭痛や頭の重たい感じが軽減され、三ヶ月後には「もう自己管理できますね」ということで早々に治療は終了です。
ウツ症状も軽減
実は今でも顎関節の違和感はちょっと残っているので、そんな魔法のようにすべて完治するわけではなかったのですが、少なくとも生活に支障が出るほどの頭痛や疲労感からは解放され、顎の裏や頬の痛みもとれました。ワタシにとってはそれでも十分すぎるぐらいです。そうなると顔がやわらかくなるので、笑うときも「笑わねば」と意識してから、どっこいしょ、という感じで表情を作らなくても、自然と顔がほころびます。
これまで、笑うと疲れる、笑ったり長時間しゃべると頭が痛くなる、という症状のせいで、飲み会とか、人が集まるところは苦手だったのが、ほとんど気にならなくなりました。とにかく、無表情でいることが一番ラクだったので、笑いたくない、騒ぎたくない、という気持ちでいっぱいだったんですね。これって、一般的にはメンタルヘルスの分野だと考えられると思いますが、そんな心理状態の原因が筋肉のコリ、顎関節症が原因だったとは、、 まあ、とにかく、治し方がわかったおかげで人生とてもラクになりました。
「噛んでる」派と「噛んでない」派
ちなみに、普段から「噛んでる」派と「噛んでない」派がいる、というのは新しい発見でした。先生に「噛んでる?噛まないようにしてください」と言われたとき、「ええ?普通は噛まないもんなの?」と非常に驚いたのですが、同居人に聞いたら「うそ?噛んでるの? なんで?」と言われ2度びっくりです。
試しにいろんな人に聞いてみましたが、顎の裏が痛い、鎖骨のくぼみを押すと痛い、という人は大抵「噛んでる」派でしたね。
おもしろかったのは「噛んでる」派は「噛んでない」人がいるのに驚き、「噛んでない」派は「えー、うっそー、いつも噛んでるの?」と「噛んでる」派の存在に驚くことです。どちらも、全人類が自分と同じ「噛んでる」派や「噛んでない」派に属すると思い込んでいて、反対派が存在するとは想像もしていないのです!
もしこれを読んでいる方が「噛んでる」派だったら、すぐに「噛まない」派に変わることをお勧めします。ワタシの周囲の「噛んでる」派の人も、「噛まない」派に転向することによって軽症な人はすぐに顎の裏や鎖骨のくぼみの痛みが軽減されました。なお、人によっては、代わりに舌の付け根あたりに力が入ってしまい、一時的に違和感を感じることがあるかもしれませんが、うまいこと力が抜けてくればラクになるかと思います。
「治す」とは?
マッケンジー法も顎関節症の治療もコンセプトは同じ。悪い姿勢、いつも噛んでいるクセなどの悪習を絶つ、そして、効果的な運動を一日何度も行い、元の悪い状態にもどってしまいそうになるのを引き戻す、ということです。
効果的な運動、というのは人によって違います。先生方は、何種類もの方法を引き出しに入れてあり、どの方法が効果的か、また、その人の日常生活にラクに取り入れられるか、を考慮しながら、「一緒に治す方法を探してくれる」のです。一ヶ月やってみて、当初思ったより、効果的でないとか、この運動は日常的に続けるのはムリ、などの問題が出た場合は、また別の方法を一緒に探します。そして、探し当てたあとは、治すのは自分。
この方法を習得したことは、ワタシにとって大きな転機となりました。この流れさえ理解しておけば、方法はなんでもいいんです。○○法なら治る! って言われると、それじゃなくちゃ治らないような気になりますが、○○法に依存しているようではダメなんですね。
今はテレビでもネットでも、「この運動なら治る」という情報があふれていますが、「自分で治す」ことを理解し、「治し方の『探し方』」を身につければ、そんな情報の中から自分に合った方法を選び出し、検証し、実践していく、ということを一人でできるようになるかと思います。
次回は、この「治そう」という意欲について、思うところを書いてみようかと思います。
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