なぞの存在

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昨日のことです。淵野辺のおともだちとひさしぶりに会う約束を。場所は町田。適当な改札口から出たら、小田急デパート3階への直通だったので、デパートを縦断。ガラスのドアを押すと、ベンチとたばこの自動販売機。さらにガラスドアを押せばそこは踊り場で、灰皿がスタンドいくつか置いてあるようです。あ、ここから踊り場に出て外階段を下りれば外に出られるのかな?よし、行ってみよう、とガラスドアを押そうとした時でした。

「む、なんだ?」

050217 ネコ1

生き物? そんなはずは、、、
動かないし。誰かがぬいぐるみを?

050217 ネコ

あ、動いた!
びっくりしたー。

050217 ネコ

近づいても、逃げません。
しばし、首をなでなで。すると、一回ノビをして、ワタシの足の周りをぐるぐると8の字に回ってすりすりとご挨拶。でも、もうなでられるのは飽きたらしく、後ろを向いてすわりこんでしまいました。
よーし、写真を撮ってやろう。びっくりするかな?
携帯を向けると落ち着きなさそうにうろうろ。でもカシャっていう音はだいじょうぶ。害はなさそうだと思ってからは、やっぱりおとなしくなって座り込んでしまいました。
「あー、その猫ねー、いつもそこにいるのよー」
知らないお姉さんが話しかけてきます。
「たばこ吸いにくると、いつもいてねー、火つけて煙出すと寄ってくるのよねー」
「へー、ふつう逆ですよね?」「野良なんですかねー?」
「いやー、ちがうでしょう。すんごく太ってるじゃん。どっかでたくさん食べさせてもらってるわよ。ヘンな猫よね。色も変わってるし」
写真ではよくわからないかな。黒地に味噌色に近い黄色をところどころベタベタ塗りつけたような模様です。お世辞にもキレイとは言えません。
だんなさんと連れだって来たおばさんも
「写真撮ってるの?この猫はね、いつもここにいるのよ」
「目つき悪いのよねー、この猫」
はじめてここにきた、たばこ吸いのおじさん
「へー、おとなしいねー。逃げないねー。え、いつもここにいるの?不思議だねー」
はじめての人はとてもめずらしがりますが、常連さんの人気はいまいち。そして「かわいいわよねー」という人は一人もいませんでした。みんなの関心は、
「こいつは、なぜずっとここにいるの?逃げないの?」
という一点に集中しているのです。
新顔が来ると一応あいさつします。ちょっとだけなでられてやったりもします。でも愛想がありません。逆に逃げ出すんだったら追いかけようという気にもなるけれど、ただそこにいるのです。そして、不細工。目がかわいくない、というのもありますが、決して目を合わせようとしない、というのがみんなの不満の原因なのかもしれません。そんなわけで、ヤツは自分の生活を人間に振り回されないための絶好の条件を持っている上に、人の好奇心を適度に抑えてしまう「間」の取り方のせいで、「毎日ただそこに座っている」生活を乱されなくてすんでいるわけです。
長年の経験からなのか、持って生まれた性分なのか。本当に友達はいないのか。ひょっとして帰る家がどこかにあるのか?うーん、とっつかまえていろいろ聞いてみたいなあ。
まあ、まずはいろんな人に実際に見てもらいたいですね。本当に今日も明日もあさっても、デパートがお休みのときもそこにいるのかどうか。お近くの人でこいつを見かけたら、是非ご一報ください。

Lucy

Second Lifeに棲息しつつ、いろいろと音楽を勉強中です。詳しいプロフィールはこちら http://lucytakakura.com/about-lucy

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