「Fun.」とともにおもしろくなりそうなアメリカ音楽シーン

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Billboard.com 3月2日付けの記事によると、Billboard最新号の特集記事は「Fun.」のサクセスストーリーだそうで。

ワタシはこのひとたちを今日の今日までまーったく知らなかったのですが、「We Are Young」という曲はビルボードチャートの第3位まで行っているんですね。

昨年の9月にリリースされた時は大したことはなかったのですが、人気TV番組「Glee」でカバーされたことで人気は急上昇、ビルボードチャートでは12位を獲得したそうです。

そして、今年に入り、シボレーのスーパーボール用スポットCMで使われてからは、さらにセールスはうなぎ登りとなり、120万枚(便宜上「枚」と書きましたが、もちろんダウンロード販売込みです)に達しました。

まずはどんなもんか、聞いてみてください。ワタシ、一発で気に入りました。

【シボレーのスーパーボール用スポットCM】

かっこいいです。もちろん映像の効果も多いにありますが、何回聞いてもいいし、新しいけどヘンテコじゃないし、親しみやすいけど陳腐じゃない。

Gleeのプロデューサーは、白紙の表面にタイトルが手書きでなぐり書きされたCDRという状態のデモCDでこの曲を聞いたそうですが、すぐに採用を決定。それがこちらです。

いやー、青春ですねw うるうるしちゃいますです。「ふぁーいや〜」なんて一緒に歌っちゃいますですよ。

で、最後になりましたが本家です。

こっちは何だかカオス状態ですが(^_^; 現代はいろんなワカモノ像があってタイヘンでございますw

で、ここまでこの曲を引っ張り上げた仕掛け人は「Fueled by Ramen」(意訳したら、ラーメン命、かなあw)というふざけた名前のレーベルのCEO。サイトを見ますと、まーよくあるインディーズレーベルの典型的な手作り感あふれるサイトでして、Fun.の公式サイト も、視聴コーナーと販売リンクが貼ってあるだけのそっけないページです。視聴プレーヤーはSound Cloudのウィジェットだし。情報の更新はFacebookのページのみでやっているようです。まあ、そんなにたくさん手が回らないでしょうからw これだけ売れてもインディーズ状態のまま、っていうのが好感モテますね。この試聴プレーヤー、フルの長さの曲がアップされていますので、是非、聞いてみてください。We Are Youngだけではわからない彼らの個性を垣間見ることができます。多分、Queenが好きな人なら、気に入るのではないでしょうか。小泉元首相にも聞かせてあげたいw

ちなみにWe Are Youngが入っているアルバム「Some Nights」はiTunesで9.99ドルで販売されており、CD盤も同じ値段(これも格安ですな)です。残念ながら日本のiTunes Storeではまだ古いアルバムしか購入できませんがCDの方は、Amazon.co.jpから、なんと780円!で3月5日発売予定。 ちゃんと価格保証するって書いてあるので(^_^; 予約しちゃいました。

で、この曲をここまでにしたのは、曲の良さはもちろんなんですが、やはり「ラーメン命」レーベルのCEO、John Janick氏の功績が非常に大きいのではないでしょうか。ビルボードの記事によれば、Jay-ZやKanye Westを手がけた名プロデューサーJeff Bhasker氏にこの曲を聞いてもらうために3ヶ月も電話し続けたそうですから、、、 一回でも聞いてさえもらえれば、、、という自信があったんでしょうねえ。そしてそれは全く間違いのない判断で、このBhasker氏も、Gleeの音楽監督も、一回聞いただけですぐに「よし、これですぐにスタジオ入りだ」と作業を開始してしまったのです。

TV番組Gleeが牽引役となり、スーパーボール用のスポットCMにまで採用されたインディーズバンド。しかも、販売体制はインディーズのまま、、、アナログ盤だったら、プレス増のための投資や体制作りは無理ということでメジャーと再契約したでしょうが、デジタル時代の今なら、インディーズレーベルでも100万という単位の売り上げをさばけるわけです。これ、閉塞感に包まれてた若者たちにも希望をもたらすのではないでしょうか。すべてが「いまどき」を象徴するFun.。これからが非常に楽しみです。

80年代や90年代なら音楽シーンを象徴するものがあったのですが、中高年にとってはわかりにくくなってしまった21世紀、、でも、2010年代に入ってGAGA様とかFun.とかが音楽シーンを塗り替えはじめており、米国音楽業界も俄然楽しくなってきました。2拍4拍でビートを打つ曲はもうチャートに入らないのかしらん、と悲しくなっていたLucyも元気になったですよ!

Lucy

Second Lifeに棲息しつつ、いろいろと音楽を勉強中です。詳しいプロフィールはこちら http://lucytakakura.com/about-lucy

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