バークリー音大にオンライン留学(5)FAQ3 コースの種類

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今回のテーマは
・どんな講座があるの?
コースの数はなんと150以上。列挙するのもなんなので、概略だけご紹介します。
カテゴリーは、Music Production, Songwriting, Orchestration, Music Theory, Voice, Music History & Liberal Arts, Guitar, Bass, Keyboard, Drums, Music Business 及びMusic for Film, Games, & TVの12種類です。
【演奏系】
ギター、ベース、キーボード、ドラムとヴォーカル。残念ながら管楽器のコースはありません。
・ギター(16コース)
 コードの基礎、スケールの基礎など基礎コースをはじめとし、ブルース、ロック、ジャズ、アコースティック、ファンクギターについてそれぞれ基礎やソロ専門、アドリブ専門のコースなどがあります。
 おもしろそうなのは、Steve Vai Guitar Techniquesというコース。Steve VaiのCD Naked Tracksの曲を1レッスン1曲ずつ練習し、演奏を録音したものを評価してもらう、というものです。講師はもちろんご本人のSteve Vai。これはファンにとってはたまらんでしょうねえ。
・ベース(7コース)
 基礎コースの他に、R&B、ジャズ、ロック、アドリブのコースがあります。3ヶ月間12レッスンでひたすらスラップばかりやるSlap Bassというコースもあります。
・キーボード(6コース)
 基礎コースの他に、ブルース、ロック、ジャズ、アドリブコースがあります。
・ドラム(4コース)
 基礎コースの他に、ロック、ファンク/R&B、アフロキューバンがあります。ドラムコースの課題は、音声ファイルではなく、自分の演奏をビデオに録って動画ファイルで提出します。
・ヴォーカル(3コース)
 発声の基礎コース、ポップ&ロックヴォーカル、ジャズがあります。注目すべきは基礎コース。Vocal Workouts For The Contemporary Singer: Vocal technique/Performance (日本語版はこちら)とThe Contemporary Singer: Elements of Vocal Technique(日本語版はこちら)の著者であるAnne Peckham先生が直接指導してくださいますので、的確・有益なコメントを得られますし、今後の練習の方向についても自信を持つことができます。「指導法」の勉強にもなるので、上級者にもお勧めだと思います。
・アドリブ
 コード楽器を演奏する人のためのJazz Improvisationコースがあります。講師は巨匠Gary Burton。
【デジタル製作系】
Music Productionというカテゴリーがこれにあたります。全部で37コース。
・工程別
作曲、ミキシング、マスタリング、サンプリング、リミックス、ライブレコーディング&ミキシング、ミュージックビデオ制作など
・音楽ジャンル別
Electronic Music、Hip Hop、ゲームミュージック、映画・TV、オーケストラ、ギターサウンド、ドラムビート、アコースティックサウンドなど。
・製作ツール別
やはりメインはPro Toolsで、それだけで7コースあります。他には、Ableton Live、Reason、Logic、SONAR、Cubase、Final Cutの各コースがあります。
・職人養成系
Critical Listening、エンジニアのためのイヤー・トレーニング、マイロフォン・テクニックなど。
【作曲・アレンジ系】
・Songwriting(18コース)
ヒットソング作曲法、コマーシャルソング作曲法、映画・TVミュージック作曲法、曲先作詞法、タイトルから作る作詞、メロディー作曲、ハーモニー作曲、ジャズ作曲、Finale使用法、Sibelius使用法など。
・オーケストレーション(19コース)
フルスコアの基礎コースの他に、リズム、ホーン、ストリングスなどのセクション別アレンジの各コースがあります。重複しますが、映画・テレビスコアリングコース、FinaleやSibelius使用法コースもここに含まれています。
・Music for Film, Games & TV(9コース)
映画・TVのための作曲法、Final Cut使用法、ゲームミュージックなど(いずれも上述のジャンルで既出)の他に、音楽監督コース、ミュージック・ライセンスコースがあります。監督コースは、音楽の選び方からライセンスの交渉、キューシートの作成法まで、かなり実践的な内容で、あのGleeの音楽副監督を務めた20世紀フォックスのWard Hake氏へのインタビュービデオも教材になっているそうです。
【ビジネス系】
・Music Business(15コース)
基礎コース以外に、マネージメント関係だと、アーティストマネージメント、プロジェクトマネージメント、ツアーマネージメントの各コースがり、さらに、マーケッティング関係コース、音楽産業での起業、音楽産業の法律、著作権法のコースなどがあります。マーケッテイング関係のコースは、多くのミュージシャンが自身で受講しており、音楽活動の傍らで各種広告を実際に出し、その結果を分析したレポートの提出をするなど、ちょっと日本のインディーズバンドはこういう人達にかなわないなー、という感じがします。中でもすごいのがOnline Music Marketing with Topspinというコース。Topspinは登録推奨アーティストの条件として、Facebookで15,000件以上の「いいね!」がついているか、Official Web Siteに月間1万人以上のユニークアクセスがあるか、メーリングリストの登録者が2,500人以上か、もしくはミュージシャンとして年間5,000ドル以上の収入があること、を挙げています。BerkleeのOnlineコース受講者は無条件でTopspinに登録できますが、まあ、このくらいでないとマーケッティング支援しても無駄、ということで効果のほどは期待しませんよ、ということらしいですね。(参考:http://musicians.about.com/od/musicpromotion/f/usetopsin.htm)日本でこのくらいのアクセスが稼げたら、なんか他のことできそうな気もしますが、、(^_^;
【学術系】
・Music Theory(9コース)
音楽理論基礎、聴音、和声、旋律、など。
・Music History & Liberal Arts(6コース)
映画・TV史、ロック史、西洋音楽史など。この3つを修了すると、Music History Specialist Certificateがもらえます。評論家を目指す方には最適なコースですよね。
以上、全12ジャンルざっとご紹介しました。もちろん詳細はBerklee Onlineを見ればわかるのですが、既にBerkleeで何か学ぼうと思っている人以外はそこまで見に行かないわけで、こういうコースがあったんだ、だったらちょっと覗いてみようかな、と思う人がいるかもしれないと考えて長々と書いてみました。ご参考になれば幸いです。
次回は、
・ぶっちゃけ、役に立つんだろうか?
へ進む予定です。

Lucy

Second Lifeに棲息しつつ、いろいろと音楽を勉強中です。詳しいプロフィールはこちら http://lucytakakura.com/about-lucy

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