バークリー音大にオンライン留学(6)究極のオンライン講座
このシリーズ最終回(コース別に習ったことについてはまた別の機会に書くと思います)は、FAQ4の「ぶっちゃけ、役に立つんだろうか?」についてです。
これは全く人によって違うかと思いますが、ワタシ個人は大変役に立ちました。各講師の講義資料やコメントも貴重なものでしたが、講義内容がいくら良くても、ただ提示するだけではすぐに忘れてしまうし、自分のものにならなければそのテクニックを活用することができません。
これは受講してみてわかったのですが、自分のレベルアップにつながるほど身につくかどうかは、かなりの部分、講義システムやカリキュラムの組み方に負うところが大きいのではないかと思われます。以下、講義内容ではなく、講義システムについて、具体的にどんな点がよかったかを挙げてみます。見出しとして太字にした6項目は、どんなオンライン講座でもそのクオリティが問われる必須項目だと言えるでしょう。
1.受講期間の設定
1週間に1レッスンを学習、レッスン毎に課題を提出するというスケジュールでしたが、教材は全てのレッスンのものがいっぺんに提示されるのではなく、毎週土曜日に1レッスンずつ読めるようになっていたので、1週間1レッスンのみに集中することができました。
全部で12レッスンあるので、3ヶ月間、毎週欠かさず課題提出作業があるわけですが、毎週これを続けるのはけっこうな緊張感を伴います。この緊張感を持続させるのはおそらく3ヶ月が限界なのではないでしょうか。ということで、12週間というのはこれ以上でも大変、以下でも物足りない、ということで、ちょうど良かったと思います。
いずれのコースも、最初の3レッスンぐらいまでは入門的で比較的易しいレッスンだったのですが、1ヶ月がたって中だるみが出そうな頃に急にむずかしくなったり、量が増えたりしました。また最終課題はけっこうチャレンジングなものが出され、ラストスパートでかけぬけるような感じがありました。最終課題を終わらせた時には、なんとかできた、あー、しんどかったー、と息切れしてしまったのものです。
今思うと、コース全体に強弱のリズムを持たせるように計算した上でレッスンが構成されていたのだと思います。導入は易しく、全員にやる気を持たせ、慣れてきたら飽きさせないように、最後は受講生の実力以上のものを引き出すよう引っ張る、といった感じでしょうか。
2.課題の効果
レッスンごとに、学習するテーマ(ロックなら今週はオルタナ、とか、ジャズならボサノバなど)と、修得テクニック(響かせ方、裏声の使い方など)が設定され、それを意識しつつつ、カラオケに合わせて歌ったものを録音、アップロードするわけですが、録音して提出、というこの作業を毎週やるだけでもかなりの練習になります。一応、けっこう練習してから録音するのですが、その録音を聞くと必ず「だめだ、もう一回」となるわけで(^_^; そして、ここからがむしろ本当の練習になるんですよね。録音をアップロードしたものを講師やクラスメートが聞くわけですから、ちょっとでも気になるところがあればやり直したくなるのが人情ってものです。ワタシはこれだけで、けっこう音域が広がりましたw
そして、その録音に講師コメントをつけてくれるのですが、これがテキスト、要するに、文字になっているので、口頭でなにか指摘されるよりもずっと頭に残ります。これが「役に立った」の大きな部分でした。
通学のレッスンでは、楽譜をもらう→練習する→次のレッスンで歌い、指導を受け、それを録音して持って帰る→うちで録音を聞いて反省、という感じだったので、正直これほど緊張感を持って録音したことはなかったし、なんどもやり直したこともありませんでした。個人的な印象では、オンラインレッスン3ヶ月の練習量は通学レッスン1年分の練習量をはるかに越えていたのではないかと思います。言ってみれば、毎週が発表会、という感じでしたから。
3.クラスメートの存在
これは受講してみてびっくりしました。まさか、通信講座にクラスメートがいるとは、、、世界中から様々な目的を持って集まってきたクラスメートたちには本当に大きな刺激を受けました。
自分の課題にクラスメートが多くのコメントをつけてくれたのもありがたかったです。コメントは人によって様々で、中にはストレートに問題点を指摘してくれる人もいましたが、その方がありがたいですね。できがいいときはやっぱりコメントが多いので、コメントの数は目安になるし、言葉の壁を越えて伝わるものがある、というのを実感できたのは貴重な経験となりました。
また、チャットやフォーラムなどで普段抱えてる問題を話し合ったり、お気に入りの曲やミュージシャンの情報交換をしたことも楽しい思い出になりました。お互いに、一つのことを一緒にやり遂げた、という仲間意識ができたりして、いまでもFacebookで連絡を取り合ったりしています。通信講座でも、クラスメートがいる、というのは重要なことだと思います。
4.受講終了後のケア
受講期間である12週間が過ぎ、課題を全部提出した後も、1年間講義資料にアクセスすることができるので、十分復習することができます。受講期間中は課題を提出するので精一杯だったので、ワタシはメモ取りなどは全くできませんでしたから、これはありがたかったです。
また、講義自体にも、受講終了後の独り立ちのために今後の練習方法や音楽活動のガイド的な内容が盛り込まれており(例えば、練習カリキュラムの作成や、ライブのセットリストの作り方など)、卒業した後も、ここで習ったことが自分の拠り所となるような安心感がありました。
5.サポート体制
提出課題に講師がコメントをつけてくれるというのが、講師とのコミュニケーションの主要なものとなりますが、それ以外にも、フォーラムやチャットを通じて一般的な質問をすることができます。
また、カラオケをダウンロードし、自分の歌をミックスして録音、MP3にしてアップロード、という作業に不慣れな人にはTech Supportが面倒見てくれました。
6.カリキュラムの充実化
各コースとも、6週間たつと中間アンケートがあり、それを提出しないと先に進めないことになっていました。また、終了時には最終アンケートがあって、これも提出しないと修了できないシステムになっていました。その他にも随時アンケートのメールが来て、どんなコースがあったらいいか、課題の作業量や負担度はどの程度か、などを質問されることもありました。
受講期間や、課題の内容、提出頻度、サポート体制などは、恐らくこのアンケートを参考にし、何度も何度も修正を繰り返して今の形になったのではないかと思います。
講師のコメントも、決して片手間ではなく、かなりの時間を割いて書き込んでくださっていたものと思います。1週間に15人分の録音を聞いて、時には画面をスクロールしなければ全部見られないほどの長いコメントを書くこともあり、またそのコメントへの質問に対応することも考えると、講師の作業量も相当なものだと思います。
Berklee Onlineを受講してみて、eラーニングというのは、教える方も教わる方も通学の授業に匹敵する(もしかしたらそれ以上の)労力を使ってはじめて本当に有益なものができるんだなあ、と考えを新たにした次第です。この記事が何かの参考になれば幸いです。
Lucyさん、バークリーオンラインに興味がありこちらのページにたどりつきました。とても参考になりました!ありがとうございます。
お役に立てて何よりです。是非挑戦してみてくださいね!
細かく教えて頂いてとてもやる気がでてきました!ありがとうございました*
コメントいただけると、ワタシもやる気が出てきます(^_^) ありがとうございました。頑張ってくださいね!
こんにちは!
授業を受けようと思ったら授業開始前なら本当にいつでも申し込みは可能なのですか?
はい、授業開始前日まで申込み可能ですよ。今だったら7月27日開講のコースを募集中ですが、7月26日までなら間に合います。日本時間は半日早いですから、余裕ですね。
返信ありがとうございます!
とても嬉しいです!
自分は 3コースをGeneral music studiesでやるつもりなのですが休みがあるのでwinter 2017 で2コースを同時にやろうと思っています。
その申し込みは1番最初に決めるのかそれとも冬に決めることができるのでしょうか?
質問が多くてすいません。
記事はとても参考になりました!ありがとうございます!
返信ありがとうございます!とても嬉しいです!
自分は3コースをGeneral music studiesでやろうと思っていて、休みがあるのでwinter 2017 に2コース同時にやろうと思っています。
その時最初に同時にやると申し込むのか、それとも冬に申し込むのでしょうか?
質問が多くてすいません。
記事は本当にとても参考になりました!ありがとうございます!
ありがとうございます!
Specialist Certificate in General Music Studiesを申し込まれる予定でしょうか? その場合は、そのコースの説明ページにEnroll Now in this Certificateというボタンがあるので、そこをクリックして確認してみてください。
手順としては、まず、開始学期を選んで、登録します。ここで登録料を払います。その後、学習科目の登録になります。私は1科目ずつ12週間ごとに登録しましたが、クラスメートの中には2科目同時に受講していた人もいたので、それも可能だと思います。いずれにしても、科目の登録も、その開始時期を確認しながらの登録になるので、受講したい時期のものを選べると思います。
ただ、私が受講していたのは随分前でしたので、ひょっとして制度が変わっているかもしれません。正確に確認したいのであれば、やはり直接学校に問い合わせた方がいいと思います。英語での問い合わせになりますが、簡単な文でもだいじょうぶですよ。受講をはじめたら英語のやりとりは必須なので、頑張ってやってみてください。
ありがとうございます!参考になりました!
頑張ります!