FEN (現AFN)の思い出

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よく扁桃腺を腫らしては、熱を出して学校を休んでいた子供時代。ラジオはワタシにとって大切な友達でした。

何日も学校を休んでひたすらラジオを聞いていると普通の民放は飽きてきて、ダイヤルをちょっとずつ動かしてはまだ聞いたことのない放送を発見するのが趣味になってきました。それでも954kHzより左側(低い周波数の方)は「どうせ後はNHKだからなー」という理由であまり合わせなかったのですが、右側も全部聞いてみたし、どうせなら全部の周波数帯をチェックしてみるかー、とちょっとずつダイヤルを合わせていくと、、、

うわ、この音楽番組はなんだろ! 全部英語だー、すごいぞ! あれ、アナウンスも英語じゃん! 隣で聞いていた母親が「あらー、それ進駐軍放送だねえ。まだやってるんだ。なつかしいねえ」なんて言うではありませんか。これがFEN、Far East Nework(今はAFN, American Forces Network)、在日米軍ラジオ放送との出会いでした。

それ以来、学校から帰るとずっとFEN。インターネットはおろか、二カ国語放送もなかった時代です。FENは生の英語が聞ける唯一のアメリカ文化流入元でした。FENを知ってから、平日は夕食を食べ終わってラジオをつけると、Wolfman Jack Show、土曜日は、FM東京の歌謡ベストテンが終わる午後2時にFENに切り換え、American Top 40を聞く、というスケジュールになりました。ラジオ関東で湯川れいこさんがやっていたのは、夜遅くてほとんど聞けなかった、というもありましたが、FENだと曲は途中で切らずに全部流してくれるし、途中のジングルもかっこいい。Camp Zamaのイベントのお知らせは、生の英語の言い回しが学べるし、逆に日本の季節感も思い起こさせてくれます。ニュースは何度も聞いているうちに最後のシメのアナウンスも覚えてしまい、学校で友達とまねっこし合うこともしばしばでした。友達は、Bay City Rollersの大ファンで、FENだと何度もかかるから、と、やはり毎日聞いていたようです。

FEN news is compiled by the American networks and wire services. For further details, read the Pacific and Stripes. I’m Navy Journalist Carol Tozaki in Tokyo. This is the Far East Network.

おー、今でも覚えてる、、、

一度ヒットすると同じ曲を何回もかけるし、英語のアナウンスも繰り返されるフレーズが多く、中学生のスポンジのような脳みそはどんどん吸収していきました。ワタシの洋楽の原点、ここにあり。

年末は、たしか2週間ぐらいかけてAmerican Top 40の枠で年間Top 100をやってたと思います。2、3年分ぐらいはカセットテープで録音してとっておいたと思うんだけど、どっかいっちゃったんですねえ、度重なる引越で。今思うととってももったいないことをしました。

そんなFENも、大学入学あたりから、聞く時間がなくなってすっかりご無沙汰に。リフォームで部屋の位置が変わってからは電波状態が悪くなり、ラジオそのものから遠ざかってしまいました。インターネットというものが登場してからは、radikoがはじまるまで、ワタシのラジオ生活は空白の時代。iTunesにラジオメニューがついてから、少しずつ復活してきましたが、肝心のFENだけはネット配信がはじまらず、そもそも米軍専用の放送なんだし、ネット配信なんてやらないんだろうなあ、とずっとあきらめていたところ、本日偶然ネット配信開始の朗報を見つけ、ひとり感動しております。

久々にAFNの番組表をチェックしてみたら、いろいろ紆余曲折があったみたいですけど、まだやってるようです、American Top 40。しかも土曜日の午後、同じ時間帯です。それに、そろそろ年間Top 100の時期ですね。もうDJはCasey Kasem(これ、ケイシー・ケイスンって聞こえてたなあ(^_^;)ではなくなっていますが、現代のAmerican Top 40をもう一回聞いてみようかな、と楽しみな今日この頃でございます。

(なお、アナウンス中のCarol Tozakiさんはお亡くなりになったそうです。ご冥福をお祈りいたします。)

追記

2016年から2017年にかけて、American Top 40の録音(アナウンスのみですが)が続々とYouTubeに投稿されています。その中から年間チャートを選び、しかもケーシーのアナウンスを一部テキストにしているサイトを見つけました。

昭和の雑談茶房

あのなつかしいファンファーレとケーシーのアナウンス、そしてHits from coast to coast〜!などのコーラスも聞けますよ!

 

さらに追記(2017.8.6)

長年FENのアナウンサーをされていた窪田 ひろ子さん(A Phrase of The Day with Hiroko Kubota でおなじみの方です)が、最近になって英会話の本を出版されました。ヤバイですw

ヤバいくらい通じる英会話の法則

3時間でヤバいくらい上達する英会話の法則

「3時間で」の方の出版は2017年。「ネットで聴けるAFNで日本にいながら語学留学」などの最新情報が載っています。長年のファンにとっては嬉しいですね!

Lucy

Second Lifeに棲息しつつ、いろいろと音楽を勉強中です。詳しいプロフィールはこちら http://lucytakakura.com/about-lucy

FEN (現AFN)の思い出」への18件のフィードバック

  • 2015年11月16日 @ 21:53
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    FENを検索してここにやってきました。FENは私にとってアメリカへの憧れを高めてくれた存在でした。高校生時代、ここ東北の田舎では生の英語に接する機会が皆無であり、短波放送受信機でFENを聴いていました。確か周波数は、3925Khzと6155Khzだったように記憶しております。ただ受信状態は時間によって変動し、朝方か夕方は明瞭に受信できましたが、日中は感度が余りよくありませんでした。夜10時以降から深夜にかけて、中波の810Khzが時折強力に受信できましたが、極東ロシア方面からのロシア語放送にかぶさってしまい、なかなか思うように楽しむことができませんでした。

    思い出に残っている番組はやはり何といってもWolfman Jack(確か平日の午後8時5分から9時まで)、そして土曜日の午後に放送していたCasyのAmerican Top 40ですね。あと、平日の夜(時間は忘れましたが)、懐かしいコメディーラジオショー、Bob Hope Showが放送されていたように記憶しています。

    ニュース番組は確かFEN東京独自の制作もありましたが、私にとって思い出深いのは、電話回線等を使用して流されるアメリカ本土からのCBN、ABC、NBCニュース、またはAP通信から配信されるニュース番組でした。これらは、時折、アメリカからリアルタイムで流されていたこともあり、まだ衛星放送などが無かった時代、これを聴きながらアメリカ本土に自分がいるような気分にさせてくれたものです。

    あれから30数年経過しましたが、FENは私の青春そのものでした。

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    • 2015年11月17日 @ 06:52
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      あらさん、コメントありがとうございます。うわー、Lucyも全く同じですよ!
      Wolfman Jack、American To 40、いつも楽しみにしていました。

      あらさんのコメントを読んでいると、まるで自分のことのようで涙が出ます(T.T) 
      きっと、この記事を読んでくださった多くの方も同じ体験をされているのではないでしょうか。

      30年前、同じような青春時代を過ごした方とこうして出会えるとは、、!

      本当にありがとうございました!

      返信
      • 2015年11月18日 @ 23:01
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        Lucyさん。コメントへの返信ありがとうございました。

        そうですか。LUCYさんにとってもFENは青春でしたのですね。私は、FENニュースを個人的にカセットテープに録音して、英語のディクテーションをして聞き取りの勉強をしたことがあります。何度も聞き直して、聞いた内容を書く練習ですが、あの頃は英語の基礎学力が足りなくて、何度聞いていもうまく聞き取れませんでした。それでもこの練習のかいあって、私のリスニング能力は格段に向上したように感じました。

        深夜0時のニュースの後、アメリカ国家演奏の後に次のようなアナウンスがあったことをよく記憶しています。

        The Far East Network now begins the new broadcast day. The Far East Network is an affiliate of world-wide American Forces Radio and Televison Service. The Far East Network is broadcasted on the following frequencies: Tokyo 810 KHz AM, Iwakuni・・・・・・・

        もうひとつ私のお気に入りの番組は、夕方4時5分から放送されていたFEN東京制作のローカル番組 ”Kanto Plain”(名前間違ったらごめんなさい)で、音楽が中心でしたが、4時30分ごろになると、日本各地の風物詩を紹介するようなコーナーがあったように記憶しています。あの頃は、FENで流されるアメリカンポップスが日本で紹介されるよりもかなり早かったように思います。アメリカ本土からの野球中継やフットボール中継、またおもしろいことに大相撲の中継もありましたね。

        書けばきりがないのですが、この辺にしておきます。なんか私のことばかりべらべらとすみませんでした!

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        • 2015年11月19日 @ 07:36
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          うわー、Kanto Plainもなつかしい!深夜0時のアナウンス、Lucyも練習しました(^_^; 大相撲や野球もおもしろかったです。英語のスポーツ実況が聞ける唯一の媒体でしたからね〜。

          クィーンのボヘミアンラプソディのフルバージョンをはじめて聞いたのもFENでした。日本のラジオはみんな途中で切ってましたからねえ。こんな曲だったんだ!とぶっ飛んだ覚えがあります。

          いやー、今になって思い出を共有できるなんて、ほんと、うれしいですね。ありがとうございました!

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  • 2016年3月27日 @ 05:09
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    こんばんわ。突然お邪魔します。FENが青春そのものだったので、ググってこちらにたどり着きました。FENで大好きだったパーソナリティはチャーリー・ツナさんでした。先月(2016年2月19日にお星さまの世界に旅立たれたとの事。寂しくてたまりません。すみません。気分を紛らわすために思わず書き込んでしまいました。

    返信
    • 2016年3月27日 @ 08:06
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      →えむさん
      コメントありがとうございます。FENが青春だった、という方が本当に多くてびっくりしています。あまり更新していないこのブログに来てくださる方の大半はFEN関連の記事をご覧になっているようなのですが、きっとみなさんそうなんでしょうねえ。時々コメントをいただくと、やっぱりそうなんだなあ、と感慨深い思いです。

      チャーリー・ツナさん、私も聞いてました。訃報、驚きました、、、寂しいですよね。ご冥福をお祈りしています。

      返信
  • 2016年10月7日 @ 00:58
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    こんばんは、チャーリーツナが大好きでした、あのカッコイイ発音、口調がやたらと
    良くて、テレフォンコール?何を言っているのかわかりませんでしたが、笑いながら
    ドンドンつながる電話に返す、あの発音!!曲の紹介、アーチストを呼称する節?
    これぞ?アメリカ人という感じでした。以前から調べていたのですが、イルカか?なんか
    の?ぬいぐるみみたいなのばっか?ヒットして見つからなかったのが(--;今回の
    訃報・・・非常に残念です。エンディングに流れていたインストルメンタルの曲が
    またカッコイイ曲で・・もしご存じならば教えてください!!

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    • 2016年10月8日 @ 08:02
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      →bitiさん
      コメントありがとうございます。

      チャーリー・ツナ、なつかしいですねえ。チャーリーツ〜ナ〜っていうコーラスがまだ耳に残ってます。ツナってなんだろう? ツナ缶のツナ? 名前なの?って思いましたね。

      訃報、知りませんでした。今年のはじめだったんですね。

      ちょっと調べてみたら、こちらに昔の録音が紹介されていました。
      http://afrtsarchive.blogspot.jp/search/label/Charlie%20Tuna

      1974年のものを聞いたんですが、最後の1分ぐらいで流れているのが該当のエンディング曲でしょうか?

      もしそうでしたら、いろんな人に聞きまくってみます(^_^;

      返信
      • 2018年11月12日 @ 22:41
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        こんばんは。非常にご無沙汰失礼しました、親の調子が悪くなり、昨年他界しました。ドタバタしてしまって、すっかり忘れていました、ご無礼お許しください。そうです!あのエンディングです最後に流れていた!!

        返信
        • 2018年11月13日 @ 23:03
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          うわー、いろいろ大変だったんですね。むしろ、思い出してくださってありがとうございますm(__)m
          エンディング、もう一度聞いてみなくちゃ(^_^;

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  • 2016年12月16日 @ 21:15
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    こんにちは。たまたまこちらのサイトに遭遇し、感激しまくっているところです。
    Lucyさんとあらさんの書き込みに「これは!!」となってしまいました!!

    私もFENがなかったら今の自分はないというくらい、大きな影響を受けて育ちました。
    小学校4年生頃にたまたまラジオのチューナーを合わせていたところ(文化放送とかニッポン放送を聞こうとしていたのですが)、なにやら英語が聞こえてきて、好きな曲(兄の影響でクイーンとかを知っていたので)がいろいろ流れてきてハマってしまいました。
    特に中学に入ったころからはずーっと聞き続けていて、ケイシー・ケイサムやウルフマン・ジャックはもちろんですが、特に好きだったのは夕方のローカル番組でした。横田基地の軍人さんが持ち回りでDJをやっているんだなぁ~というのは、中学生でも理解できましたが、ホンモノ顔負けのカッコいいDJでしたよね。特に今でも忘れられないのは、1982年前後に担当していたクリスティーナという女性の声でした。耳では「クリスティーナ・パーカソン」と聞こえたのですが、ラストネームが定かではありません。(クリスティーナは間違いないですが、Parkerson, Parkason, Parkison… そんな感じかな?)
    とにかく知的で落ち着いた低い声で、憧れでした。ご記憶にあるでしょうか。
    ほんと、録音しておけばよかったと後悔しております。
    あの頃にFENでかかった曲は、今聴いても当時のFENと記憶がリンクされていて、本当に懐かしいです。
    通りがかりにすみませんでした。懐かしてく、つい書き込んでしまいました~。

    たえ

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    • 2016年12月18日 @ 08:42
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      →たえさん

       熱いコメント、ありがとうございます! たえさんも、「なにやら英語が、、、」だったんですね。ワタシもまったく同じで嬉しくなりました。こういう衝撃は一生残るんだなあ、って自分でもびっくりです。

       クリスティーナさんについてちょっと調べてみたんですけど、やっぱりネット時代以前のことはなかなか出てきませんねえ。ほんとに録音しておけばよかったと、後悔ばかりです。

       実は、このブログの中で「毎日の」アクセスが一番多いのがこの記事なんです。書いてから3年も経つのに、それは今も変わりません。また、こうしてあらためてコメントをいただきますと、同じ思いの方がこんなにたくさんいらっしゃるんだ、と身の引き締まる思いです。FENを聞いていた、という人は、同級生とか、そういう狭い範囲だとほとんどいなかったのですが、ネット時代になったら、こんなにたくさんの人が同じ思いを持っていたことがわかるようになりました。

       録音が残っていないのは残念ですが、リスナーの思いはずっと残っていて、こうしてシェアできるのですから、やっぱりいい時代になったもんです。

       クリスティーナさんのこと、わかるといいなあ、、、

       

      返信
  • 2017年5月14日 @ 18:47
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    こんにちは。私も遅ればせながらこちらのサイトを発見して、当時FENを聴いていた方々の熱い思いを知りとてもうれしくなりました。

    私は1978年、高校2年の時に、父の転勤で東京に来て間もなくFENを知り、当時流行っていたCommodoresやLittle River Bandなどが聴きたくて、毎日学校から帰るとラジオにかじりついていました。皆さんと同じようにWolfman Jack Showやチャーリ~ツナ~さんの番組でかかる曲にどっぷりはまり、以来洋楽一筋。FENで音楽人生が変わってしまった一人です。
    同じように毎日楽しみにされていた方がここで出会えて、なんだか感慨深いです。

    あまり情報がなかった当時、アメリカの生きた文化や、教科書じゃない英語の言い回しを感じられた唯一のソースでした。中でも、KantoPlainの16:30頃にやっていた A Phrase of The Day with Hiroko Kubota はとっても楽しく、英語のテストでも結構助けられました。のちにタモリ倶楽部にリアル窪田さんが登場され、素敵な方で感激した覚えがあります。

    大相撲のGrand Sumo Tournamentの英語解説に驚き、Ameriくcan TOP40の”The Long Disance Dedication”のコーナーで英語が解らないなりに何となく切ない気分になったり、大晦日のカウントダウン前にかかる明るい”蛍の光”。。新しい年を迎えた一曲目は毎年DJさん工夫されていて、’80年の一曲目は、Bostonの ”Don’t Look Back” だったのが印象的でした。

    私にとっては、音楽の黄金時代と言われた70年代後半から80年代半ばにかけて、いまだ輝きを失わない珠玉の名曲の数々をリアルタイムでFENから聴けた青春時代は、本当にかけがえのない宝物です。

    あれから40年近くの月日が流れ当時の音源は失われても、ここを訪れた方々の心の中では消えない数々の時間が流れているのですね。Lucyさん、ありがとうございます!

    返信
    • 2017年5月14日 @ 21:16
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      →ネコさん
      メッセージありがとうございます! うわー、またまた同じ思いの方に出会えて、嬉しいですねえ。80年は私も思いっきり聞いていた時ですから、同じ都内で同じ時間を過ごしていたんですね。A Phrase of The Day with Hiroko Kubota、覚えてますよ! タモリ倶楽部は見逃したなあ。残念。ネコさん、熱いコメントありがとうございました!

      返信
  • 2017年5月17日 @ 21:39
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    よし★です。今夜初めてググってきました。
    40年以上前、岩国の放送を聞いてましたが、なぜかその後聞けなくなり…きょうびだからネットラジオがあるのでは、と検索してここにたどり着きました。
    情報有り難うございます。

    返信
    • 2017年5月17日 @ 21:50
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      →よし★さん
       お役に立ててよかったです(^_^) 楽しんでくださいね〜!

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  • 2019年11月22日 @ 13:44
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    FENでクラシックが流される番組がありました。 極東放送佐世保。 新世界より が流された時の 録音を 今も 持っています。 長い時間停電する時あって 番組中断の時のお知らせで Thank you very much for your patience. あと5分 おきぐらいに アナウンスが出たこと が印象的でした。74年のことです。

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    • 2019年11月23日 @ 08:19
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      →zen yuankouさん
      コメントありがとうございます!クラッシックが流される番組、あったんですね。今まで全く知りませんでした。
      私もAmerican Top40を録音したカセットテープをずっと持っていましたが、いつだったか処分してしまい、すごく後悔しています。
      録音、大事にされてくださいね(^_^)

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