肩こり・頭痛を治そう(9)セルフケア(4) – ウォーキングレッスン(4)
ウォーキングレッスンシリーズの最終回は、なぜ「モデル」ウォーキングが効果的だったのかについて書いておこうと思います。いわゆる「モデル歩き」と聞くと、腰を左右にフリフリ歩くことだと思っている人が多く、あれでは身体に悪いのではないか、と言う人もいますが、それは大きな誤解です。左右にフリフリは「なんちゃってモデル歩き」であって、ランウェイを歩くショーモデルは腰がおしりの線から横にはみ出したりはしないのです。どのタイミングで写真撮影をしても、洋服がピシっとまっすぐになっているようにキープするには、腰を横にふるわけにはいきません。また、よりスリムに、より美しく見せるには「ムダのない」動きが必要になってきます。「ムダがない」ということは、身体の偏った部分に余計な負担をかけない、したがってラクに歩ける歩き方、ということになります。そうでなければ、ものすごい高さのヒールを履いてなお安定感のある歩き方はできないのです。
「モデル」ウォーキングとは?
こちらの動画は、パリのファッションウィークにおける三宅一生氏のショーです。
どのモデルさんも、一本の線に足を着地させています。また正面から足の裏が見えてますね。これは先生から何度も指摘された点(ワタシがすぐにできなくなっちゃうポイントです(^_^;)なのですが、足裏が正面から見えるように足首を使って足を上げることで(膝を使うのではない)、足裏全体をきちんと着地させ、かかとからつま先までの体重移動で身体を運ぶことができるのです。
そして、更なるポイントは、胸が開いてデコルテが左右一直線のままぶれていないこと。また、腕は前で振らない、後で振る、ということです。モデルさんは洋服を見せることが仕事です。正面から撮影したときに、洋服に手がかぶっていたり、洋服の面が傾いたりねじれたりしていては、写真が商品になりません。そして、このスタイルは普通の人が取り入れても「ムダのない」すなわち「負担のない」歩き方になるのです。
さて、こちら↓は「競歩」の動画です。
0:35ぐらいから、正面からの映像が見られます。これを見ると、足は一本の線の上に着地しているのがわかります。また、腰は一見左右に振っているように見えますが、腿の付け根の左右の端を見ると、腰骨は左右ではなく、上下に動いている、腰を下げて下げて脚を引いているのがわかります。腕の振り方はモデルウォーキングとは異なりますが、より速く、すなわち、無駄なく動くためには、似たような脚の運びになることがわかります。
また、こちらは競歩の練習法の動画ですが
男性選手でも、やはり、一本の線にかかとがついています。足の裏も見えてますね。
そして1:30からの練習は、なんと、モデルウォーキングのレッスンでワタシたちがやっていたのと同じだったのです! 但し、もっとゆっくりエレガントにやるんですけどねw
「より美しく」も、「より速く」も動きにムダがなく安定した歩き方をすることによって実現されるのは同じです。したがって「正しい歩き方」の原理は「モデルウォーキング」も「競歩」も同じということになろうかと思います。「モデルウォーキングレッスンなんて参加できないよう」という男性の方は、競歩の練習ができる機会を探してみるのもいいかもしれませんね。
モデルさんたちも頑張ってる
当初、ワタシがウォーキングレッスンを始めたときは、「基礎ウォーキング」クラスに入ったのですが、結構長く続けていたので、そのうちハイヒールで歩くクラスに移ることになりました。そしたら、なんと、現役のモデルさんや、コンテスト出場予定の方も受講しているではありませんか!これはワタシの人生のサプライズ!となりましたw
鏡に向かって一列に並ぶと、身長148センチ(注)のワタシは、170センチ級のモデルさんの身長の半分ぐらいにしか見えませんw 最初は、人種が違うからなー、なんて思っていましたが、先生の指導に分け隔てはありません! いくら身長が高くてもスリムでも、正しい姿勢で正しく歩けなければちゃんとしたモデルにはなれないのです。
鎖骨がきれいに開いているデコルテを作るにも、足をまっすぐに見せるのにも、身体をほぐすケアや姿勢チェック、歩く練習は欠かせないのです。中にはショーの直前に、もう一度基礎を復習しておこう、とレッスンに参加するモデルさんもいて、みんな頑張っているんだなあ、あのスタイルは生まれつきでも、一夜にしてできてしまうわけでもないんだ、と改めてすべてのモデルさんに尊敬の念が湧いてきました。
おまけ
そんなクラスに参加していたら、そのうち、モデルさんたちと一緒にポージングの練習までするようになってしまい、自分でもびっくりです。でも、みるみるうちに上達していくモデルさんたちを見るにつけ、「あー、自分は腕の振りができてない」「まだまだ膝が曲がってて腰に負担がかかってるなー」と随分勉強させていただきました。自分ができていない部分を直す練習をすると、その度に一段階身体が軽くなって調子が良くなります。健康管理、という目的でのレッスンだったのですが、やはり上級レベルのお手本を見ることで、練習効果が随分上がるんだなあ、と感心。
そして、なんと、ウォーキングの発表会にも出ることになり、モデルクラスのみなさんと同じく衣装合わせもして、メイクもヘアーもアーティストさんにやってもらい、スタイリストさんのチェックも受けて、ランウェイも歩きましたw 148センチ、51歳。人生最初で最後のショーモデルに挑戦です。同世代のクラスメートと、「あたしたち、これ最初で最後だよねえ。いい経験させてもらったよねえ」なんて励まし合っての参加です。
成果は下の写真ですが、首が全く「無かった」以前に比べ、首が出現、肩も下がり、身体は左右に開きました。腕の振りも、ベンギン状態を矯正、まっすぐに下ろしたまま歩けるようになりました。
ビフォーの写真が無いので「なーんだ、こんなもんか」と思われるかもしれませんが、これだけで当人はご満悦w 激しく左右差があった以前とは比べものになりません。
このショーに出るころには、職場にも完全復帰です。しかも、もうあの調子の悪い状態には戻らない方法も習得した上での回復なので、不安もありません。
ここまで指導してくださった福村あけみ先生には感謝の気持ちでいっぱいです。
しかし。
「立つ」「歩く」はいいんですが、、、「座る」がいまいち。そして、身体がやわらかくなってきて今までわからなかったことに気づくことになりました。ワタシの上半身、なんかねじれてる、、、
次回からは、「座り方」「筋肉をゆるめる」をテーマに書いていきたいと思います。
(注)事故後、身長が縮み147センチになってしまったのですが、ウォーキングレッスンをはじめて半年ほどで148センチに戻りました。体重は変わらずですが、ジーンズのサイズは2サイズダウンです。今まで試した中で、もっとも効果的でしかもラクだったダイエットかもしれません。
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