肩こり・頭痛を治そう(15)最終回 – 大切なことのまとめ
長年悩まされてきた肩こり、首こり、そして顔こりと疲労感。鬱病ではないかと抗うつ剤を処方されつつも、「この筋肉のコリさえ治れば改善されるはず」と原因はわかっていました。でも、このコリを解消する方法が見つからぬまま、20年が経過してしまったのです。
それでも、仕事を休んで十分な時間が取れたこと、そして何よりも、インターネットのおかげで、やっと治す方法がみつかったことは、自分にとってとても幸運なことだったと思います。
最終回の今回では、これまでやってきたことの中で、重要なポイントをまとめてみたいと思います。
間違っていた常識
強く揉んだり、押したりすると後から余計筋肉が凝ってしまいます。また、まずは自分の状態を知り、自分で何とかする方法をみつけるのが重要。一日5回も6回もマッサージしてもらうわけにはいきませんから。
どこかで教わったものを、言われたとおりになんとなくやっていればだんだん治っていく、、というものではありません。やってみたら、「これ一発で治る!」ぐらい効果が実感できるものを見つける必要があります。一発で治るけど、すぐに戻ってしまうので何回もやり続ける、というのが改善の道筋です。
正しい姿勢は力を込めて背筋を伸ばそうとしても、猫背のまま腰が反り返るだけで、今度は腰への負担を増加させてしまいます。正しい姿勢は力で作るものではない、筋肉を緩めるとできてくるものなのです。
筋肉が適度にゆるみ、正しい姿勢になると、自然とお腹が引っ込みます。力を込めて引っ込めようとしても、お腹の筋肉が凝るだけです。お腹やお尻がきゅっと締まるのは、正しい姿勢で歩いている結果そうなるのであって、むりやり力を込めても筋肉のコリが増し、姿勢は崩れてしまいます。
引き締まる=力を込める、引っ張る、だとすると、これではスリムになれません。筋肉に余計な力を込めればコリが生じ、身体の動きもぎこちなくなります。さとう式リンパケアで説明されているように、腔を作る、すなわち、ふわっとふくらませるイメージを持つ方が、お腹はひっこみ、バストアップされ、より良いスタイルに近づけるのです。
大切なこと
病気によっては、悪いところをみつけ、その原因を除去する、ということで治るものはたくさんあります。しかしながら、筋肉のコリに関しては、その発想を変える必要があるかと思います。例えばワタシのように交通事故が原因だった場合、その原因がわかったところでなんの意味もありません。交通事故に遭ったという過去を除去することもできません。
それよりも、「これをやってみたら改善した、つづけてみよう」という気持ちが何よりも大切になります。「今までこんなに治らなかったんだから、どうせ何をやってもだめなんだ」と思いながらやってみても、「ほら、やっぱり効果ないじゃん」という思いが先に立ち、自分自身の微妙な変化にも気がつかなくなってしまうのです。時には、本当に治したいのか、自分に問いかけてみることも必要になるかと思います。
医師の診断は重要です。そして、自分の身体の状態を自分自身が知ることも重要だと思います。さまざまなエクササイズやセルフケアをやっていると、そのうち今の自分の状態 – どこが凝っているのか、バランスが悪くなっていないか、どこをゆるめたらいいのか、わかるようになってきます。ヨガの先生が「身体の声を聞きましょう」という状態です。そこまで到達できれば、このブログなど読む必要は無いのですが、目標として挙げておくことにしましょう。
ワタシは今でも長時間座ってどこかが緊張してきたら、トイレにいって腕や耳を回し、片足で立ってねじれを調整しています。いろいろな方法を試してみて、「これをやれば確実に改善される」ことが納得できたらしめたもの。これをやりさえすれば、頭痛にならない、動くのもラク、というメソッドを身につけられればなんでもいいのです。そして、これをゲットできれば、安心して疲れない日常を送ることができるのです。先生方は、訓練方法を一緒に探してくれるアドバイザーであって、「治してくれる」のではありません。治すのはあくまで自分自身なのです。
最後に
Lucyは幸運なことに、自分に合った方法を見つけることができました。これまで紹介したどの方法が欠けてもここまで来ることはできなかったと思います。立ち方、歩き方、座り方はそれぞれ別の先生から教えていただき、自分に必要なものを組み合わせていきました。
自分はたまたまうまくいきましたが、できれば総合的なアドバイザーがいれば、より多くの人が救われるのではないでしょうか。特に医療機関については、この点についての改善が望まれるところです。現状では、首の後ろから下は整形外科ですが、首の前方の顎は歯科です。頭の筋肉が締め付けられて、こってるんです、というと、明らかに筋肉痛であるにもかかわらず、整形外科では扱いません。脳外科で診察してください、と言われてしまいます。 身体全体は全部つながっているのに、患者は自分の判断で各部位ごとに別の相談場所をさがさなければなりません。
もうひとつ、あったらいいなあ、と思うのが、筋肉と筋膜を写すレントゲンみたいなもの。これがあれば、自分の状態をすぐに知ることができるし、何が効果的かもわかる。でもこれはきっとムリなんだろうなあ(^_^;
いずれにせよ、人類の健康管理はまだまだ未熟であり、研究の余地があるのだと思います。筋肉のコリのケアや姿勢指導について義務教育で取り入れられる日が遠い将来でないことを祈りつつ、ここまで根気良く読んでくださった方に感謝申し上げます。
ありがとうございました!