35年振りに買ったJJがいろいろすごかった
「絵になる私♥️」を作る服と写真
付録「インスタ物撮りシート6種類セット」
昨日発売のJJ9月号のキャッチコピーです。これを見つけたのはワタシではなく、フォトグラファーの相方でした。
「へー。JJがねえ。」
世の中変わったものです。そりゃそうですね。ワタシがJJの読者だったのは、恐らくこの雑誌が全盛期だった80年代のはじめです。振り返ればあれから35年。変わらないはずがないのですが…
このタイトルを聞いた途端、気になって、気になって。夜の10時にコンビニに買いにいっちゃいましたよ。なんと、一軒目のセブンではまさかの売り切れ。2軒目のミニストップで1冊だけ残っていたのをかろうじてゲットできました。
で、開いてみると…
インスタの撮影例にはハッシュタグのお勧めまで書き込まれています。「写真の第一印象は色で決まる」「フルーツはフォトジェニック」とか、これ、ファッション雑誌なの? CAPAか?という内容。
実用より見た目
風景に合わせてコーデを調整することも大切
集合写真を撮ったら、私だけ地味だった…を回避したい「アップに強い華やかトップス」
見た目重視の「インスタ映え」盛り小物16」
真夏の定番コーデは「#○○風」で写真映え度アップ!」
(このページはモデルさんの写真に「#サーフ風」とかハッシュタグがついています)
「アップが盛れる」写真映えセットの4大鉄板ルール
「あのコは誰?」と興味をそそる「絵になる服」と「おしゃれな物撮り」
食べ物、人物、風景……何を撮っても自分らしさを出すポイント
「絵になる」カフェリスト
おまけに、インスタアプリを使ってモノトーン加工をしたり、フィルターアプリを使って色温度を下げる方法など、画像加工のノウハウも満載です。
「インスタ物撮りシート」で写真上手♥️
早速この記事を見ながら、付録のシート(タイル風)を使って写真を撮ってみたら、こんな風になりました。
これで、「Lucyお気に入りのコスメ♥️」とかなんとか書いて、#バスルーム、とか入れればいいのかなあw
「いまどき」を感じたのはインスタ関連記事だけではありません。たとえばコスメに関する記事でも
女性が考える「モテ顔」は間違っている!
「誰か」になるな!「自分」を引き出せ!
美容院に行って、「聖子ちゃんみたいにしてください」って言っていた時代とは大違いですね。
35年前のJJを思い返してみると「お嬢さま」とか「慶應ボーイに人気の女の子のタイプは?」とか、とにかくハイクラスの男子に気に入られるにはどう装うべきか、っていうテーマが中心だったと思います。彼氏のお母様に気に入られるお洋服、なんていうお勧めもありましたよねえ。
JJ 1985年1月号「少しおとなしいかなと思うくらいの服が上位に選ばれました」といってもリクルートファッションではなくて〈「見合い服」好感度採点表〉の結果です。 pic.twitter.com/XBjDWVIEw5
— ESHITA Masayuki (@massa27) 2015年5月18日
注目は右下の赤帯タイトルですね。ちょっと小さいですが、おわかりいただけたでしょうか…
↓
適齢期のエリートたちに採点してもらいました
そして、こんなのも。
JJ 1986年4月号にはひさびさにOLファッションの大きな特集記事があった。36のコーディネート例から複数企業の男性社員が評価した好感度の高い通勤着がこれ。 pic.twitter.com/X0LOKc8lyY
— ESHITA Masayuki (@massa27) 2015年5月18日
評価しているのは、大手商社とかラジオ局の若手社員たちです。
あの頃の時代の雰囲気を知らない世代の人は「うそー」と思うかもしれませんが、当時は会社にもダンナさん候補にも「気に入ってもらう」のが先決。そういう意味ではJJはかなり「現実的」な雑誌だったのかもしれません。
一方、最新号を見ると、男女ともに大学の名前は登場せず。丸の内OLみたいな社会人女子も見あたりませんでした。ましてや「家事手伝い」は死語になりましたねえ。ワタシですら、「うわー、こんなパワーワードあったっけなー」と思うくらいですから。
グルメ記事も、かつてはフレンチのビストロとか広尾のケーキ専門店とか、ここぞ、という時の高級路線の特集が多かったように記憶していますが、最新号は、
かき氷
ソフトクリーム
カレー
などなど、昔に比べて庶民的になっています。
また、ダイエット記事は皆無。広告でマグマピラティスと脱毛があっただけでした。ヘアも、美容院での注文用のカタログみたいなものは無く、まとめ髪とかヘアアクセとか、徹底的に自分でなんとかするノウハウが集められています。
今のJJは、「誰かに気に入られる」ことが目的ではなく、とにかく「自己表現」がテーマ。写真撮ってインスタにアップするなら誰でもできるわけで、これなら読者層も広くなるし、いまやバッグやポーチを付録につけるより、物撮りシートを付けた方が「これ欲しい」と思う女子ははるかに多いでしょうねえ。
写真専門誌は一眼レフとか立派なカメラの広告を取っている以上、スマホ写真の特集はなかなかやりにくいと思うので、このテーマは手つかずだったのではないでしょうか。記事はby Editorとなっていますが、ファッション雑誌の編集の方なら、おしゃれなフォトの演出のプロですよね。別に写真家の先生に原稿を頼まなくても社内で最高の記事を書けるわけですから、やらない手はないと思います。
これ、いまどきのファッション雑誌の現実路線、ですね。
そして、女性誌定番の「恋愛」関係ですが…
あなたのパパより高収入かつイケメンの男性は現代にはいません
ひええええ! そ、そうかもしれないけど、そこまできっぱり言うか!
でも、これを裏付けるデータをちゃんと載せているんですね。
【JJ世代の未来の愛下の実態】(○○の数字は雑誌を見てください)
25〜29歳男性の平均年収は○○○万円
20代で交際経験なしの男性は○○%
そして、
JJ世代の25年後は「3〜4人に1人が生涯未婚」
5年彼がいないなら、5年後もいない。そう危機感を持って動きましょう」
JJの超現実路線、35年経った今も、健在でした。雑誌が売れないと言われているいまどきでも、JJだけはたくましく生き残っていくのではないでしょうか。頑張れJJ!10年後、20年後も楽しみにしています。
PS.ちなみに来月号の恋愛関係記事は
「SNS婚活アプリで彼をつくる!」だそうです。