WSJ メタバースの構築方法 第1回 創世記(要約と回想)
前回の記事に引き続き、
Wall Street Journalのポッドキャスト「Journal」2022年9月23日配信
How to Build a Metaverse, Part 1: Genesis
をご紹介したいと思います。以下、番組の要約です。
Genesisとは「創世記」。Metaが数十億ドルもつぎ込んで開発をはじめた、それよりも20年も前に、Linden Labという小さな会社がメタバースを作りました、という出だして第一回ははじまります。そして、Linden Labの創始者Philip Rosedale氏へのインタビューでは、「創世記」のようなやりとりが。
「はじめにフィリップは水を創造された」
青い水と太陽、月があり、水は光を反射したそうです。音は?と聞かれると、「風を作りました。それから水の音も。そしてこれは自分でもすごいと思っているんだけど、もし飛ぶことが出来たら、風の音が聞こえるでしょ?それも聞こえるようにしました。そして、雲や木も作りました。木は枝も揺れるようにね。」
[Lucy回想]
ここまで聞いて、私もSecond Lifeを始めた16年前を思い出しましたね。この世界は、空飛べるんだ!そして、空を飛んだ時の風の音。これはびっくりしたなあ。それから、だまって立っているだけでも、アバターはかすかに動いていて、呼吸をしたり、髪が風になびいたり。どこからか水の流れや鳥のさえずりがかすかに聞こえたり。最初はそんなことに一つ一つ感動していたことを、久々に思い出しました。
[回想ここまで]
そんな導入部分の次は、取材の意図の説明があります。昨年、ザッカーバーグ氏はメタバース構想を発表、100億ドルもの資金を費やしましたが、記者にとっては、デジャヴュを見ているようです… 20年前にはじまったSecond Lifeは、15年前に大ブレイクを起こし、ロックスターや政治家、マスコミ、大使館までやってきました。でも、そのほとんどは今は去ってしまい、戻ってきていません。なぜなのでしょうか? 一方で今でもSecond Lifeを続けているのはどんな人たちなのでしょうか?
[Lucyコメント]
この記者さんのすばらしいところは、実際にSecond Lifeにログインをして、もう一度チュートリアルからはじめ、Philip Rosedale氏、当時のスタッフ、実際に稼いでいたアバター、今でもSLライフをエンジョイしている人達など、非常に多くの関係者にSecond Lifeの中で取材をしたことです。インタビューも、Second Lifeのリゾート地や家の中を見学しながら、アバターに対して話しかけるという形で行っていました。
[コメントここまで]
第一回は、その後、Philip Rosedale氏の生い立ちからSecond Lifeの創世記までをたどります。中でもこの時期、注目すべきは、オブジェクトの作成機能を導入したこと。「原始の」という意味のprimitiveから取った「prim」(Lucy注:直方体だったり、球体だったりする物体です)を、ユーザーが誰でも作成できる、という機能を設けたことが、すべての始まりだった、と振り返っています。Second Lifeの中のすべてのものはユーザーが作っている、ということがSecond Lifeを特徴づける大きな要素となっているのです。
第2回へ続く。
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