WSJ メタバースの構築方法 第4回 ヴァーチャルの世界を作る理由ってなんだろう?(要約と回想)
前回の記事に引き続き、
Wall Street Journalのポッドキャスト「Journal」2022年10月14日配信
How to Build a Metaverse, Part 4: Why Build a World?
を紹介します。以下、配信の要約です。
Meta社が構築したメタバースHorizon Worldを記者がやってみたのですが、結局Second Lifeでやっていたことと同じことをしています。友達を作って、自分の部屋を持って。バーチャルワールドブロガーのWagner James Auさんは、Metaや各社が作っているメタバースはオフィスや会議場ばかり。オフィスを作るにしても、火星につくってみるとか、ドラゴンがのっかったお城に作るとか、そういう発想がないよね、と指摘しています。
まあ、Second Lifeで「現在」のコピーを作っていたものが、15年経った今、歴史の一部となり、博物館的になってきたということはあるかもしれませんが。
それでは、今Second Lifeにいる人は、何をしているのでしょうか? ここで実際に複数のアバターに取材をし、現状を解説しています。彼らは、Second Lifeで、現実ではできなかったことをやってみました。例えば性別を変えたり。例えば、新しい家族を持って、子育てをしてみたり。それは現実のコピーではありません。自分が作りたい世界です。そして、その新しい世界での生活は、現実にも影響を与えはじめます。性別を変えた人は、実際に自分がトランスジェンダーであったことに気づき、今では現実のトランスジェンダーのサポート活動をしています。また、家族を持った人は実際にパートナーに会い、自分の生活を変えつつあります。
記者はどうかというと、しばらくメタバースで過ごしてみたものの、Second LifeにもHorizon Worldにも、もう戻らないと思うのです。リアルではやることがたくさんあって忙しくて。でもSecond Lifeのアバターさんを見ていると、現実の社会での生活も、メタバースの暮らしもどちらもステキに見えるんです。メタバースは決して現実の代替物ではなく、同時に存在し、パラレルワールドのように行ったり来たりできるところなんですね。
[Lucyコメント]
さすが、Wall Street Journal、丁寧に取材をしていて、核心をつくコメントもありました。ただ、ユーザーはやっぱり千差万別で、今回登場した人たちはかなりシリアスな方かなあ。パラレルはパラレルなんだけど、Lucyにとっては両方とも現実で、まあSecond Lifeは時空を超えてみんなに会えたり、海外に行けたりする世界、ってところかなあ。それと洋服をしまうところがない、という心配がないのと、いつでも気に入った家を出したり引っ込めたり、ペットや馬を飼える、のも魅力。思いつきを半分現実にできるんだけど、そこではじめて、それが本当に自分が望んでいたことだったのか、それともすぐ飽きちゃうものなのか、ちょっと思い知らされるのかなあ、と思いました。
まー、こればっかりはやってみないことにはわからんからね。これからメタバースに関わって行こう、思っている人は何でも自分で作れるけど何をやるかは自分ひとりで見つけなくちゃいけないというSecond Lifeをちょっとでもやってみることを強くお勧めいたします。本当に万人が利用するものになっていくのかどうか、自分の目で確かめてみたらいかがでしょうか。
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