スマトラ島沖地震–恩返しのとき
人として、困っている人がいたらなんとかして助けてあげたい、というのが人情であり、かつて助けてもらったことがある人が困っていたら恩返しをしよう、と思うのもまた然りであります。
例えばトルコ。1890年に紀伊大島で遭難したトルコ船エルトゥールル号の乗組員を救助した日本に対する恩を90年以上経っても忘れませんでした。1985年、テヘランにて孤立してしまった日本人の脱出のため、トルコ政府は救援機を飛ばしてくれたのですが、その仲介にあたった在イラントルコ大使は「トルコ人ならだれもが、エルトゥールル号の遭難の際に受けた恩義を知っています。ご恩返しをさせていただきましょうとも」と言ったそうです(詳細はこちら)。
そして最近では台湾。新潟地震の際、6年前に日本に援助をしてもらった恩義がある、と一所懸命募金活動をしています。
先日のスマトラ島沖地震で大きな被害が出たインドネシア、インド、タイ、スリランカ。もちろん無条件に支援するのは当然なのですが、実はこの国々には過去日本が忘れてはならない恩義があるのです。それは日本が敗戦後、大きな被害を抱えながらも、日本が被害を与えた各国に賠償を支払わなければならなくなった時でした。
インドネシアの賠償交渉にあたった国会議長のアルジ・カルタウィナタ氏は当時の岸首相に対して、「独立のお祝いというつもりで賠償を払ってください。日本が悪いことをしたから賠償をくれというわけではありません」と言ってくれたそうです。さらに戦後の日本の国民生活を見て「こんなにひどい貧乏な日本からお金を貰うのは辛いなぁ。しかしこの働きぶりなら日本は必ず一流の国になると思うのでまず私たちを助けてください」と語ったそうです。
また、日本は戦時中日本の同盟国であったタイから戦争遂行資金として二十億バーツ(当時の換算で十億ドル以上)という巨額の借金をしていたのですが、戦後タイはその借金の値引きをしてくれました。当時のタイ側交渉団の最高顧問の言葉をこちらより引用させていただきます。
「日本国民は餓死寸前でありました。日本中が焼野原でした。そして、皇族も華族もいなくなり、有力な軍人と賢明な役人と高潔な政治家は牢に叩き込まれて誰もいません。アメリカはそっくり返って威張っている。団員は口々に“こんな気の毒な日本を見ていられるか”と言いましたよ」「(こんな値引きに応じて)“国へ帰ったら、殺されるかな”とフッと思った。けれど、“まあいいや、友邦日本は悲惨な状態なんだから”と自分に言いきかせました。団員も同じ気持ちだったのです」。
インドはパール判事の出身国です。この人は、東京裁判の際、連合国側の判事でありながら、ただ一人、被告全員の無罪を唱えた人です。そして、次のように語っています。
「この度の極東国際軍事裁判(東京裁判)の最大の犠牲は『法の真理』である。…勝ったがゆえに正義で、負けたがゆえに罪悪であるというなら、もはやそこには正義も法律も真理もない。力による暴力の優劣だけがすべてを決定する社会に、信頼も平和もあろうはずはない。」
そして、スリランカ。もう忘れている人も多いと思いますが、敗戦後、1951年のサンフランシスコ講和会議の時まで 日本は独立国ではありませんでした。その講和会議の際、これは、在日スリランカ大使館のHP にも言及がありますが、セイロン(当時のスリランカの国名)代表のJ.R.ジャワルデネ氏は、セイロンは損害賠償を受ける資格があるとしながらも、それを行わないものとする、そしてそれを他の国々にもよびかけ、結果インドも損害賠償を行わないこととなりました。また、その演説の中で、「我々は、ソ連代表の云っている、日本の自由は制限されるべきであるという見解には賛同出来ない」とし、「若し再びソ連がカイロとポツダム宣言に反して、日本へ返還した琉球諸島と小笠原諸島を欲しがるのなら、それでは何故南樺太は、千鳥列島もまた日本へ返還されないのか?」とまで言っているのです。
以上、長くなりましたが、日本がその独立性を制限されようとしていたとき、また、敗戦後の荒廃の中で賠償金を支払わなければならなくなったとき、それは近代の歴史の中で日本がもっとも「困った」状態だったと思われるのですが、そんなときにかばってくれた、、その国々が今大変な被害を被っています。
政府をはじめ、各種団体が支援の動きをはじめていて、それは頼もしい限りなのですが、もしも、御礼を言われるような機会があったら「いえいえ、礼には及びません。貴国は我が国が困っていたときにかばってくれたではないですか。恩返しをするのは当然です」と伝えたい。実際の活動としては小市民としてはせっせと募金をするしかないのですが、せめて、かつて助けてもらった事実を忘れないよう後世に伝えていく、ということで貢献できないだろうか、と思い、念頭から長文を書きました。トラバ、コメント、リンク、通りすがり、一見さん、大歓迎です。よろしくお願いいたします。
スマトラ島沖地震
こういうお話を語るのは苦手なのだけれども、あえて書きます。 友人のblogのトラバ。スマトラ島沖
スマトラ沖地震 〜今がその時〜
日本人はいつからこうなってしまったんでしょう。
なぜこんなになってしまったんでしょう。
こんな小さな島国のくせに、大国のまねをして背伸びをしています。
細やか…
スマトラ沖地震によるインド洋津波
まず初めに、今回のスマトラ沖地震と、そのために起こった津波によって尊い生命を落とされた方々全てのご冥福をお祈りします。そして現在行方のわからない方のご無事とその…
さっそくもう一度来てみました。
トラックバックありがとうございます。
こちらからもさせていただきました。
できることは小さなことかもしれませんが何もしなければ何も変わっていかないと思うので、お互いにできることから一歩一歩頑張ってやっていきましょう(^-^)
読んでいるブログに登録したので、また来ますね。よろしくお願いします。
モルジブに行っていて、津波に合いました。といっても被害はありませんでしたが、いろいろ大変でした。日本に帰ってきて見る映像は、津波の瞬間の恐ろしいものばかりですが、コロンボの空港で流れていたのは、ショベルカーで穴を掘ってたくさんの遺体をどんどん入れていく映像や、子どもの遺体が何十人も並んでいて、その中から我が子を見つけようとするお母さんの映像でした。これからどうやって生きていくのか、考えただけで胸が締め付けられます。
義援金の募集が行われているけれど、新潟地震と比べると、どうなんだろうと思います。遠い国だと実感がないのかも知れません。私にできることは何だろう、この数日間考え続けています。
>いるかさん
コメントありがとうございます。早速トラバさせていただきました。
モルジブに行かれていたとは、、、大変だったでしょうね。たしかに遠い国だと実感がない、という面はあるかもしれません。かくいう私も実はプーケットに行っていた知人が亡くなったというのが大きなきっかけになっているのですが、まずは何かのきっかけを持った人間から少しずつでも支援の気運を高めていければ、と思っています。いるかさんもblogをはじめられたのですから、なにがしかのきっかけ作りがそこから始まるかもしれませんね。また訪問させていただきます。
スマトラ沖大地震に思う
スマトラ沖大地震発生当初日本でのメディアや国民の反応は非常に鈍いように感じた。結局は日本人にとっては対岸の火事程度なのかと思ったりもした。 いまや10万人を超…
コメントありがとうございます。
もともと、豊喜屋さんのblogからここへここへ辿り着き,ゆかりんさんのこの記事に"触発"され僕もこの地震について書きました。
確かに困っている人を助けることは当たり前のことなんだけれど、いざとなるとなかなか難しかったりもします。声高にいろいろ言われてもいまいちピンとこないのですが、ゆかりんさんの言葉は僕の背中を押したことは確かです。
きっと、ゆかりんさんは後世へ伝える以上のことをしているのだと思います。
>ひなさん
再度のご訪問、ありがとうございます!また読者登録もしていただいてありがとうございました。ひなさんをはじめ、So-net blogのみなさんの反応の素早さに驚き、また、感謝しております。
>Ruiさん
リンクありがとうございました!この手の話はいろいろな意見もあり、難しい面もあるのでつい及び腰になってしまいがちなのですが、Ruiさんのコメントをいただいて、書いてよかった、と思うことができました。重ねてお礼申し上げます。
期間限定 リンクのお知らせ!〜スマトラ沖大地震・津波災害〜
>>やっぱり堺正章さんのかくし芸は、すごいな〜!応援の1クリックをお願いします!
みんな、初詣は行ったかな?
パパは混んでる所が だ〜い嫌い…
はじめまして!
「主婦のから騒ぎ!」のナミナミです。
本当に、スマトラ沖大地震・津波の被害には
胸が痛む思いです。私が出来ることは、微力だと思いますが、できるだけ沢山の方々に救済活動に参加していただきたく、「期間限定リンク」をはじめました。心あるブロガーの方々が、「ドラえもん募金」の紹介をブログでしてくれました。
もしよかったら、覗いてみてください。
ミハエル・シューマッハ
スマトラ沖地震の被災地域へ、F1の皇帝ミハエル・シューマッハがなんと個人の寄付額としては最高の10億円を寄付することがわかった。ペ・ヨンジュンの3000万円と…
はじめまして。ブログを辿ってこちらを知りました。
遠くて一度も行ったことがない国ですが
地震の怖さは嫌というほど知っている日本ですから
今こそ彼らの力になれたらな、と思いました。
※トラックバック、重複してしまいました。
申し訳ありません…お手数をおかけいたしますが、
見苦しいようでしたら削除をお願いします。
スマトラ島沖地震 募金情報
ニュースでご存じの通り、スマトラ島沖で昨年末の12月26日に発生した地震と津波による被害は日を追うごとに増え続け、史上最悪といわれています。
ネット経由で…
スマトラ沖大地震/インド洋大津波 義援金受付先
年の瀬に起きたスマトラ沖大地震/インド洋大津波、まさしく「Disaster」となっています。 被災された皆様及びそのご家族・関係者の皆様には心からお見舞い申し上
>ナミナミさん
ドラエモン募金、これも気軽にできるいい方法だと思います。大きな輪になるといいですね。
>モコさん
多くの人が関心を持って、こうして相互にリンクを貼ったりしているのを目の当たりにすると、やっぱり地震というのは日本人にとってひとごとではないのだと痛感します。辛い経験ですが、それだけに、そのときに獲得した技術や情報が役に立てば、と思います。
トラバ&コメントありがとうございました。
できることから、少しずつ手をつけていきたいですね。
音楽のお話も楽しみにしてます。Dee Deeお好きなんですね。ぼくも特にライブが好きなんですが、年末Blue NoteのMcCoy Tynerとの競演、ぼくは行かれなかったんですが観に行かれましたか?またおじゃましますね。
はじめまして、くりおねと申します。
Jazzeandblogさんからこちらを拝見し、リンクなしでいきなりトラックバックを送ってしまい大変失礼いたしました。その旨自blogに追記させていただきました。
今回の被災国に、こんなにたくさんの恩義があることを、恥ずかしながらまったく知りませんでした。これを機会にと言うのも不謹慎かもしれませんが、どんどん知ってもらうべきことだと思います。そしてもちろんできる限りの支援も。
今後ともよろしくお願いいたします。
ゆかりんさん、こんにちは。
BLOGへのコメント&トラックバックありがとうございました。
ゆかりんさんのBLOGの記事、読みました。被災国の人たちを何とか助けてあげたいという、ゆかりんさんの強い思いに心を打たれました。私の実家は昨年10月の新潟県中越地震で被災しましたが、ボランティアや復興支援がいかに大切であるか、身をもって感じました。本当に1日も早い復興を願っています。
>ahinamaさん
リンクありがとうございました!年末のBlue Note、行きたかったんですけどねえ、、、都合がつきませんでした。Dee Dee、すごく好きなんですが、まだライブはおろか映像も見たことがないので、次の機会は逃さないようにしたいと思ってます。そちらのJazzの記事も楽しみにしてますね!
>くりおねさん
いえいえ、トラバっていきなり貼ってもいいものなんだと思いますよ(^_^) 記事の方にもリンクを貼っていただいた上、詳しい解説まで書いてくださってありがとうございました!これからもともに支援の行方を見守っていきましょう!
>あるごさん
ご実家の被災、お見舞い申し上げます。新潟県中越地震で被災された方々が、まだまだ大変な思いをされている中、スマトラ島沖地震の被災者の救援のため活動していることを報道やWebで知ったときには頭が下がる思いでした。こういった支援が良い形で実を結ぶことをお祈りしております。
物語のチカラ
ワタクシ、小学生の頃、辞書を引いたことがありませんでした。
なにせ授業中にハヤカワの文庫本を読んでて叱られたという、
エンタテインメント小説マニアでして。
漢…
【コラム】不労収入~予想してポイントゲット!
◆予想ネット◆
ネットで不労収入作戦の第2弾です。前回はフルーツメールというポイントサイトを紹介しました。今回紹介する予想ネットもも同様にポイントサイトな…
はじめまして。
royさんのところからきました。
感動しました。
ありがとうございます。
リンク&ブックマークをさせていただきました。
よろしくおねがいします。
コメント&リンク、ありがとうございます!こうして輪が広がっていくのは本当に嬉しいものですね。こちらこそ、よろしくお願いします。
絵本「みんなのピピ島」 津波被災地支援
☆転載・転送歓迎☆
インド洋大津波で被災したタイ・ピピ島の小・中学生が、津波をテーマに描い
た絵と作文を集めた絵本「みんなのピピ島」の日本語版が出版されるそうです。
自費出版で132ページで予定価格1200円。
問い合わせは中川俊介さんまでメールで。
⇒phi-phi@hotmail.co.jp
委託販売を引き受けてくれるところ(書店・各種ショップ・NPO団体等)も
探しているそうです。
The Children Of Phi Phi Island
http://www.childre…